OP、RP、Userのメリット
OpenIDにおけるOP、RP、Userのメリットをいまいちど下記に簡単に整理してみた。
■Relying Party
- 認証システムに関わる開発/運用コスト削減
- OPの抱える多数の優良会員の獲得
- ログインサービスの利用の敷居が下がる(より使ってもらえる)
■User
- ID、パスワード管理負荷の軽減、ログインサービスの利便性向上
- 個人情報の管理の集約(最終的にマスタは数カ所にまとまる)
- 新しいログインサービスを利用する際の敷居が下がる(アカウント登録を省略)
■OpenID Provider
- 自社IDの価値向上
- IDに紐づく属性情報の価値向上(広範囲から利用、更新されるようになる)
- ユーザーのネットワーク上でのアクティビティ情報の取得
整理して実感するのは、RP、Userのメリットがやはり大きく、OPについてはそこまで顕著なメリットはないということだ。まあむしろこういうしくみ自体、そのようにあるべきだと思う。
話が少し変わるが、ここでmixiのOpenSocial参加表明のプレスの際に何か"違和感"を覚えたことを思い出した。プロバイダとしてmixiが対応するメリットが、直感的にイメージできなかったからだ。
国内で圧倒的No.1にあるmixiが、そこまで急いで対応を表明する必要があったのだろうか。OpenSocialへの対応表明=API公開なわけで、クローズドなこれまでの状況から一気に2段階くらいの急すぎるといえるほどの変化と感じた。
以前にも書いたが、一連のオープンなしくみにはそのしくみがスタンダードになったときに対応していないと、対応していないサービスの価値を相対的に低下させる特徴がある。
多くの人がそう考えているかもしれないが、mixiのOpenSocialに対する早い動きも実はそれに対する恐怖が起因すると考えている。以前から情報をつかんでいたにしても、即日にプレスをうつほどOpenSocialへの参加表明がそれほど意義があったこととは思えない。
明らかにそれに乗り遅れることで相対的な価値(単にイメージ的な価値という意味でも重要)を落とすことを恐れたのだろう。オープンなしくみへの対応が遅れることでサービスの価値が下がり、コアなユーザーの気持ちが離れるリスクを。
でも理由は何にしろこれらのしくみに参加表明することには意味がある。mixiなどが対応すれば優れた技術がスタンダードになる道のりを加速させるし、多くの人々に理解を広める効果はあるからだ。
ようはもちつもたれつで、最終的にみんながメリットを享受してWINxWINxWINになればいい。