XFN(Xhtml Friends Network)



XFN(Xhtml Friends Network)


変な時間に目が覚めてしまったので、XFNで定義している"人と人の関係"を調べてみた。こういう調べものをして、都合よく眠くなることを期待。


XFNはFOAFとともにSocialGraphAPIでGoogleがクロール対象としている、ブログ上のメタデータだ。いわゆるmicroformatのこと。


quote:XFN - XHTML Friends Network
以下の前置きの文章とリストは、本家サイト(英文)から引用。


"XFNとは、ハイパーリンクを使って人と人のつながりをシンプルに表現する方法です。近年、ブログやそれに類似したコンテンツがWeb上に急激に広まっています。XFNはWebページの所有者がそれを閲覧する人たち対して、自分の友人関係をrel属性、anchorタグを使ってシンプルに示すことを可能にします。"

種別 属性名 説明 つながり方
Friendship contact 連絡先が分かる知人 たいてい双方向
Friendship acquaintance 挨拶か短い会話を交わした程度の知人 たいてい双方向
Friendship friend 友達。親密な仲間 たいてい双方向
Physical met 会ったことのある人 双方向
Professional co-worker 職場の同僚 双方向 たいてい非選択的
Prosessional colleague 同じ研究/活動分野の仲間 双方向 しばしば非選択的
Geographical co-resident 同居人 双方向 非選択的
Geographical neighbor 隣人 双方向 しばしば非選択的
Family child 子供(養子も含む) <->親
Family parent <->子供
Family sibling 兄弟、姉妹 双方向 たいてい非選択的
Family spouse 配偶者 双方向 選択的
Family kin 親戚 双方向 きわめて非選択的
Romantic muse 尊敬する人 一方向
Romantic crush 想い人、片思いの相手 一方向
Romantic date デート相手 双方向 選択的
Romantic sweetheart 恋人 双方向 選択的
Identity me 自分自身


現在主流のSNSの多くで友達とのつながり方はたいてい一種類しかない状況だが、XFNではこれだけ多くのつながり方を定義している。これらのつながり方を定義して、それを"共有している"ことに大きな意味がある。


また、その関係が"選択的"なものか、”非選択的”なものかを明示していることが興味深い。その人の意志で繋がっている相手と、その人の意志に関係なくつながっている関係はやはりデータの意味合い的にも異なる。


そして、ここである程度明確に定義されているように、つながり方に双方向の場合と一方向の場合があるというのもポイントだ。これで思い起こされるのは、初期のSNS上でコンタクトリストに加えるのに相手の承認が必要であったが、TwitterFriendfeedなどでは承認が不要で一方的にコンタクトリスト追加が可能であるということ。(一方向ではコンタクトリストとは言わないが、ここでは友達リスト的な意味で)


そして、友達の種類、つながり方によっては自分のコンテンツに対して細かくアクセス権限を設定したいニーズはあるはずだが、そのニーズの多くはまだ満たされていない。ユーザー自身がタグを付けてやる方法は、主観的な"共有できない関係"だし、その独自のタグで毎回メンテナンスなんてナンセンスだと思う。


XFNでは人と人のつながり関係について"ある程度"明確に定義してくれているので、主観的な部分をなくすことができ、"公然な関係"をWeb上に表現していくことが可能になる。


そして、TwitterはXFNに対応しているが、XFNで定義している属性すべてを包括できているわけではないので完全には機能していない。対応するとしたら、FollowするたびにXFNの各属性のどのつながり方に該当するか、プルダウンで選択するようなことになるだろうか。


でもTwitterでFollowする場合、"発言が単に気になった人"とか、"ひょっとして同業者っぽい人"みたいに、あいまいな動機が多いから、属性を定義できる以前の感じなんだよな。つまりは、素性は良く知らないけど「ちょっと気になる人」っていう一方向的なつながり方がおおいので、あまりTwitter自体にXFNがマッチしていないのだろう。(もともとXFN自体がブログのために作られたわけだし)


現在よりも、"より多くの「つながり方」の表現方法が必要とされる"、”それらを皆が同じ定義として共有できるようになる"ということ。これらのことは、ソーシャルグラフがプラットフォームとして浸透していくのに、今後大きく強まっていく傾向にあるのだろう。


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